5年ほど前に作って温めていた本曲。1番だけ公開しているので、もしかしたら聴いてくれた人もいるかもしれないが、満を持して完全公開となった。ミックスはあの頃と変わっているので、その辺りも聴いてもらえるとありがたく思う。
さて、人間というものは、最後には死ぬ生き物である。自発か他発か、望むか望まないかはそれぞれだろうが、過程の如何に関わらず、絶対的に訪れる、ある意味では約束された結末である死に対して、人は畏怖し、遠ざけ、あるいはその懐に救済を求めている。
家庭環境にもよるところがあるだろうが、配偶者や子供のいる方にとっては、自身の死に対する恐怖はもとより、自分がこの現世からいなくなった時に遺してしまった人がどうなってしまうのか、せめて幸せにと祈る人が多いのではないだろうか?長い人生を走り切って、誇り高く燃え尽きていく人を何人も見てきたが、最終的に死を受け入れて、自分の遺してしまう誰かのことを思う人が意外と多い。
自分もそうありたい。
最近はそう思うようになった。自分も今は元気に音楽なんか作っているが、いつかは立てなくなり、歩けなくなり、食事も排泄も誰かの手を借りなければできなくなり、そして最後は燃え尽きていくのだろう。その時に、涙を一粒こぼしてくれれば、それ以上は何も求めない。振り返らず、立ち止まらず、自分の信じる道をただ進んでいってほしい。
そんな思いを込めながら詞を書いた。書き上げて数年たつが、今でも読むと胸が締め付けられる思いがする。我ながらよく書き上げたものだと思う。そんな歌詞にも注目しながら、鬱々とした思いで聴いてほしい。
大丈夫。
その鬱々が毎日をより豊かで、輝かしいものにしてくれるはず。